体の歪みが腰痛の原因だということに反論する人はまずいないのではないでしょうか。
例えば「猫背」
猫背になると、背中側の筋肉に絶えず負担がかかり続けて腰痛になることは、イメージしやすいと思います。
ということは、体の歪みの原因が、腰痛の原因と言えると思うのですが、それではどうして体は歪んでしまうのでしょうか。
体(骨)が歪む理由
体の歪みは、別の言い方をすると骨の歪みと言えます。骨盤の歪みなどは非常に分かりやすい体の歪みですよね。
では、骨はどうやって歪むのでしょうか。
ちょっと考えてみてください。骨は自力で動くことができるでしょうか。骨が自力で動いたら、びっくりしますよね。骨は何かに引っ張られたり、押されたりすることによって動きます。では、骨をもっとも動かしているものは何かと言うと…、それは筋肉ですよね。
ということは、歪みの原因は骨ではなく、筋肉ということになります。
筋肉のバランスが悪いのは当たり前
体が歪む原因として、
- 利き手、利き足などによる日常の偏った動作
- 偏った荷物の持ち方
- 片方にだけ負担がかかる生活習慣や癖
などがよく挙げられると思います。
ここで言うバランスの悪さとは、先ほどの話から筋力のバランスの悪さと言い換えることができるのではないでしょうか。
ところが、筋力は左右同じになることはないですし、そもそも体の作りが左右対称ではありません。
では、体が歪むのを防ぐことはできないのでしょうか?
筋肉は力を抜くことができる
筋力の話を読んだり、聞いたりするといつも感じるのですが、「筋肉は力を抜くことできる」という概念が抜けているように思うのです。
例えば先ほど出てきました、利き手、利き足や片方だけに負担がかかる生活習慣などは、筋肉の観点から言うと、より使う方や負担がかかっている方に筋肉が多くつくと言うだけのことなのです。
そうなると、「左右の筋力の差ができて、バランスが崩れるじゃないか」と思いますよね。
ところが先ほども書いたように、筋肉は力を抜くことができるのです。例えリンゴを握りつぶすことができる握力を持っていたとしても、卵やガラスのコップを割らずに持つことができますよね?
筋力の左右バランスが崩れたとしても、力を抜くことによってバランスをとることだってできるのです。
力が抜けない筋肉は骨を引っ張る
さて、ここまできたら私たちが何を言いたいのか見えてきたのではないでしょうか。
筋肉は筋力のバランスが悪くても、力を抜くことでバランスを調整することができることはお伝えしましたが、もし筋肉が力を抜くことができなくなったらどうでしょうか。
脳では力を抜いていると認識しているのに、筋肉には力が入っている。力が入っている筋肉は力が入っている分縮んでいますので、その筋肉がくっつている骨を引っ張ります。
一方は力が抜けているのに、もう一方は力が入ったままであれば、骨は力が入っている筋肉の方に引っ張られます。
そうです。これが歪みの原因です。
力が抜けない筋肉とは「筋拘縮」のこと
この力の抜けなくなった筋肉の状態を、一般的には「こり」とか「拘縮」などと呼びます。私たちは筋肉の硬くなる仕組みから、この状態のことを「筋拘縮」と表現しているのですが、「筋拘縮」に関するメカニズムについては、別記事で詳しく説明していますので、興味がある方はそちらの記事をご覧ください。
体の歪みを改善するために骨だけを矯正しても、骨の歪みを作り出している筋拘縮を解除しない限りはすぐに歪みが戻ってしまいます。
筋拘縮を解除する方法も先ほど紹介した記事で説明しています!
自分で筋拘縮を解除する方法「セルフ筋肉チューニング」もあるのですが、もし私たちセラピストによる筋拘縮の解除をご希望でしたら、お気軽にご相談ください。