腰椎椎間板ヘルニアについて、腰痛Labでも何度か記事を書いてきましたが、今回は椎間板ヘルニアが発症するメカニズムのポイントをお伝えします。
日常生活の中で、ヘルニアになる負荷が椎間板にかかるか?
椎間板ヘルニアは、椎間板の中にあるゲル状の髄核が線維輪を突き破って外に飛び出した状態です。階段を尻餅をつきながら落ちたとか、転倒してお尻を強打したなど、何かしら大きな負荷がかかったのであれば椎間板ヘルニアになってもおかしくないと思います。ところが、ほとんどの人が、そのような大きな負荷がかかるような状態にならなくても椎間板ヘルニアを発症してしまいます。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
筋力が衰えて腰に負担がかかったからでしょうか。それとも、筋肉が硬くなって腰椎を圧迫してしまったためでしょうか。
もし、筋肉が衰えたことが原因なのだとしたら、逆に筋肉の縮む力は弱くなるので椎間板にかかる負担は減ることにならないでしょうか。
一方、筋肉が硬く縮むということは、その筋肉に力を入れているのと同じ状態なので、もしかすると椎間板に大きな負荷がかかるかもしれません。握力だけでリンゴを握りつぶすことができる人もいるぐらいですから、可能性はあります。ただ、椎間板ヘルニアになっている人全員が、椎間板を潰すような筋力を持っているとは到底思えません。もし筋力だけで椎間板ヘルニアになっているのであれば、もっと多くの人が椎間板ヘルニアで悩んでいるはずですし、何より筋力が低下している高齢の方が椎間板ヘルニアになる理由が説明できません。
実は筋肉が硬くなることが、椎間板ヘルニアになる大きな原因にはなっていますが、それだけでは椎間板が飛び出すような負荷にはなりません。ところが、ここにテコの原理が加わったら話は変わってきます。硬くなった筋肉とテコの原理がどのように椎間板ヘルニアに関係しているのか?
そもそも神経は痛みを感じない
神経を圧迫すると痛みが生じるというイメージがありますが、実際は神経は圧迫されても痛みを感じません。神経は情報を伝達するのが役割であって、痛みを感じる機能は持ち合わせていないのです。痛みを感じるためには、痛みを感じるための感覚器官から痛みの情報が入ってきて、その情報を神経を通して脳に伝える必要があります。イメージしやすいようにコンピュータで例えると、痛みを感じるセンサーや入力装置があって、そこから入ってきた情報が神経というケーブルを通って脳というコンピューターに情報が届いたことによって、痛みを認識するのです。
ここでコンピューターに繋がっているケーブルを踏んだとします。ケーブルを踏んだだけでコンピューターは誤作動を起こすでしょうか。例えケーブルを踏んでしまったとしても、断線しない限りは正常に動くはずです。神経も同じなのです。神経を圧迫しても断線したり傷がつかない限りは誤作動することはないのです。
では、どうして椎間板ヘルニアが腰痛の原因だと思われているのでしょうか?
不要な手術を無くしたい
少しでも多くの方に椎間板ヘルニアを発症するメカニズムを知ってもらい、不要な手術をしなくてもいいようになって欲しい。もちろん麻痺がある場合など、手術が必要なケースはあります。ただ、痛みや痺れを感じている場合はほぼ手術は必要ありません。痛みや痺れの原因を解決すれば、例え椎間板が飛び出したままでも、これらの不調は改善します。
もし、椎間板ヘルニアの手術を勧められているのでしたら、一度私たちにご相談ください。