プロアスリートも筋力不足?
腰痛の相談をすると、答えとしてよく返ってくるのが「運動不足」。
確かに運動をしていないと筋力が落ちて痛みが出てくるイメージがありますよね。そのイメージってどこからきているのでしょうか?
もし、本当に筋力不足で痛みが出ているのであれば、どうしてプロアスリートも腰痛になってしまうのでしょうか?彼らが筋力不足ということは絶対にないですよね?
逆に幼児や赤ちゃんは大人ほど筋力はないですが、腰痛で悩んでいますでしょうか。
こんな話をすると、「プロアスリートは、体への負担のかかり方が一般人とは違う」と言われることもあるのですが、でも結局は体を鍛えていようがいまいが、何かしら原因があったら腰痛になることには変わりはないのではないでしょうか。
そもそも筋力は低下しているのか?
そもそも世間一般で言われているように、腰痛を感じている私たちの体は本当に筋力が低下しているのでしょうか。
筋力が低下して腰痛になる仕組みはおおよそこんな感じで説明されているのではないでしょうか。
- 上体を起こす背中側の筋力が落ちて姿勢を維持できなくなる
- 上体を起こせないので猫背になる
- 腰に負担がかかって腰痛になる
ここで考えて欲しいのは、①と②についてです。
背中側の筋力が落ちたことによって、本当に猫背になるのでしょうか?
このことを考えるために、皆さんのイメージ力を少しお借ります。
想像してください
まず、自分の身長と同じくらいのまっすぐな棒を思い浮かべます。棒の先にはボーリングの玉がくっついています。
その棒を地面に垂直に立てて、皆さんがそれを支えている状態を想像してみてください。
どうでしょうか?
皆さんはその棒を支えるのに苦労していますか?バランスさえ取れていれば、その棒を支える力はそんなに必要なさそうですよね。
それでは、その垂直の状態からゆっくりと棒を倒してみてください。
30度ほど倒したら今度はその状態をキープしてみます。
先ほどと比べてどうでしょうか?支えるのが大変になっていませんか?
そうなんです!
実は背筋がまっすぐの状態よりも、猫背の状態をキープする方が筋力が必要なんです。
猫背の状態をキープできているということは、十分筋力はあるということなのです。
ではどうして猫背になるのか?
筋力の低下が腰痛の原因ではないとすると、猫背の原因は何なのでしょう?
このことに関しては別の記事で後日詳しく説明しますので、そちらをご覧ください。
なぜ、筋力をつけると痛みが消えることがあるの?
ところで、筋力をつけることによって腰痛が消えることもあります。筋力が腰痛の原因でないとすると、なぜそんなことが起きるのでしょうか?
いくつか理由はあるのですが、その中の一つを紹介します。
「自前で筋肉のコルセットを作っている」と言うとイメージしやすいのではないでしょうか。筋力がつくことによって、痛みを感じる筋肉に負担がかからないようにカバーしているといった感じです。
それなら、筋力をつけても腰痛は改善できるのでは?
確かにそうですね。
でも、ちょっと長い視点で考えてみてください。
コルセットの役割を担っている筋肉は絶えず鍛えている必要があります。腰痛をカバーするためにこれから先もずっとトレーニングを続けていきますか?
80歳や、90歳になっても?
それって、本当に腰痛を改善していると言えますか?
どうせなら、腰痛の原因を根本から改善して、好きな運動や趣味に没頭できる満たされた人生を送るほうが幸せではないでしょうか。
腰痛を根本から改善するためには、筋肉を鍛えるのではなく、腰痛の原因を改善しないといけません。
もし腰痛について相談したことがありましたら、お気軽に私たちにご相談ください!